note IP問題について

投稿者: | 2020年8月15日

こんばんは。こんにちは。五月雨です。

こういう炎上事件には首を突っ込みたくないのですが、ネットワーク屋の端くれとしてちょっとだけ意見を申しておこうと思います。

1. IPで個人を特定できるのか

一般にIPから個人をたどるのは難しいとされています。
というのも、そのIPを使っているユーザーを知るのは原則ISP(インターネットサービスプロバイダ)です。
ISPから個人名などを開示してもらうには様々な手続きが必要で、法的な根拠も必要です。ですから、難しい物とされています。

2.同一IPなら同一人物なのか

IPv4アドレス(数字だけで表される方のIPアドレス)は世界で枯渇しています。
そのため、企業などの一部を除き家庭用インターネット接続サービスでは、動的IPや、キャリアグレードNATなどのIPアドレス節約技術が使われています。
それらについてちょっと解説します

2-A. 動的IPとは

動的IPとは文字の通り、動的にIPアドレスを割り当てることです。
通信が一定時間なかったり、切断された場合使用していたIPはISPのプールに戻され、他のユーザーへ再割り当てされます。(一定時間で通信があろうがなかろうが再割り当てする場合もある)
IPアドレスが戻されたあとに再接続、通信を行おうとするとIPプールからIPが割り当てられます。このとき、割当たるIPが前と同じことは保証されません。
ですから、同一IPなら同一人物ということは言えません。

2-B. キャリアグレードNATとは

キャリアグレードNATとは主に携帯電話の通信網で使用されている技術です。
そもそもNATとはあるIPを別のIPに変換する技術で一般家庭でも使われている技術になります。これの規模を大きくした物がキャリアグレードNATだと思うと簡単だと思います(本当はちょっと違いますが割愛)
この技術を使う場合、1つのIPを複数ユーザーで共有します。
つまり、この場合はそもそもIPのユーザーが1対ではないのでそもそも特定のしようがありません。よって同一IPだから同一人物とは言えません。

3. 固定IPならどうなの

固定IPの場合、次の要件を満たせば同一IPなら同一人物と言える可能性が高いです。(それでも絶対とは言えない※a)

  1. そのIPを1人で使っていること(※b)
  2. そのIPが公共無線LAN等のサービスで使われていないこと

※a 固定IPは法人向けのオプションであることが多く、オプションが解約された場合、他のユーザーに再割り当てされます。
※b 通常固定IPはサーバーや企業のネットワーク出口などに利用されます。この場合出口の下には数十から数百の企業内の端末があり、組織まではわかっても個人までは特定できない場合がほとんどです。

4. 結論

IPが同じだから、同一人物であるという考えは原則として当てはまらない。

同一人物なのか、そのIPをその時間誰が使っていて誰が書き込んだのかはISPしかわかりません。
安易に、IPが同じだから同一人物だと紐付け、それを根拠に特定の人物に対する誹謗中傷はやめましょう。
※1 そもそも誹謗中傷はいかなる理由があってもよくないと思いますよ。
※2 その根拠が信用に足る物なのか、どういう原理どう保証できるのか一度考えてみましょう。

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